まこもについて
皆さんは、まこもという草をご存知でしょうか。こちらではその存在をご紹介していきます。まこもに少しでも興味を持っていただければ幸いです。

まこもとは何か
池や川、田んぼの水路など水際のいたるところで群生する、イネ科の多年草植物です。近年は川の護岸工事のため、あまり見かけなくなりましたが、昔はヨシやアシと一緒にたくさん生えており、日本中どこでも見ることができました。
東アジアの冷・温帯地方にも分布しており、台湾や中国では現在でも栽培が行われています。
水中の泥土に太く短い根茎と多肉の走出枝があり、草丈は人間の背丈以上に成長することも珍しくありません。地方によっては、カツミやハナカツミ、ガッコやコモクサなどと呼ばれます。
90年代後半、水質を浄化する効果を持つことが分かってから、
琵琶湖や霞ヶ浦のほか、宮城県の伊豆沼・内沼などで、真菰を使った水質浄化事業が行われています。
また、真菰は秋になると株元の茎に黒穂菌が寄生して穂になる部分が肥大し、まこもたけになります。最近は休耕田の再利用にまこもたけの栽培が各地で行われるようになりました。


まこもの歴史
まこもは、神話時代からその存在が知られています。お釈迦様がその葉を編んでムシロを作り、その上で病人の治療をしたとか、可愛がっていた象にまこもの葉を食べさせたという話も伝えられています。
そんなまこもの存在は、最古の書物である「古事記」や「日本書紀」「万葉集」などにも引用されています。
まこもは私たち日本人の歴史や暮らしと密接な関係がありますが、特に縄文時代の衣・食・住のすべてにおいては欠かせない存在だったようです。
まだ稲作文化が伝わる前、まこもの実や新芽を食料とし、干して乾燥させたものは枕や蓑笠など様々な生活用品として、利用されていました。
他にも茅葺き屋根にも利用されるなど様々な場面で使われ、生きていく上で必要不可欠な存在となっていました。
今でも、出雲大社では注連飾りにまこもが使われ、その他の地域の神社では神事である茅の輪にまこもが使用されています。
また、お盆の時の精霊棚や仏壇のお供えものの敷物として、まこもの葉で編んだむしろが使われました。
まこもの敷物を使うと生ものが腐りにくいことを昔の人々は知っていたのです。
注連飾り 茅の輪

